五月
- Megumi Karasawa
- 5月2日
- 読了時間: 3分
個展を観に行く
某日、高橋 広さんの個展を観に銀座に出掛けた
出品作は気持ちよい風が吹き抜けるものばかりで清涼感に満ちていた
紙に下描きなしで直接ペンを走らせ描いていく
ペンの潔さと勢い、直観的な線に水彩で色を付けて仕上げる
どの作品も安定していて安心感がある
描くモチーフは日本各所の風景である
自然や建物、街や人
観光地もあれば日常的な一コマもある
少年野球の場面がそれだ
異色どころは東日本大震災に見舞われた地域の風景画二点だった
震災直後に現地を訪れた作家は写真を撮り、その後何年かしてから描いたという
現場を見てその場でペンを走らせることができなかったと仰っていた
それくらい衝撃的な光景が広がっていたのだ
想像を絶する体験だったに違いない
観客は絵を見ながら描かれた風景の中を旅し
思い出し
連れ合いと会話を楽しんでいた
その様子が微笑ましかった
作家の人柄と重なるが
作品全体が人が無意識に持っている緊張を解き解しリラックスさせるような魅力がある
声高に主張せず、口数は少なく控え目、自然体
スケッチの線も自然体
線は予め導線が決まっているかのように一本一本隙がない
描き慣れている
といえば失礼になるかとおもうが、描き慣れるまでにどれほどの絵を描いてきたのかとおもわせる
安定感は、積年の鍛錬によるものだ
量と時間、物を見て描く眼、まなざし、観察
十代後半から師匠につき徹夜しながらひたすら描いてきた青年の姿をそこに見る
バランスの取れた構図
色彩の柔らかさと清々しい空気感
アクセントに使われるショッキングピンクが
絵全体をモダンにしている
明瞭
作家が描く線に還元されるモチーフ
ここまで描けたら、もはや描けないものはないのではないかとおもう
震災のがれきも描いているのだから
技術と幅のある作品が揃っていた
♦高橋広「30-20」展
~漫画家生活30年、ペンスケッチを始めて20年~
2025年4月27日(月)~5月3日(日)
10時~19時
東京交通会館B1シルバーサロンA

美術館に出掛ける
知人の個展を観たその足で約一ヶ月振りに美術館に行って芸術鑑賞
二月、三月と続けて現代アートの作品を観ていたからか
額縁に入った油絵や銅版画など所謂アカデミックな?作品は予想以上にぐっときた
なぜこんなに感銘を受けたのか
いろんな要因があるとおもう
展覧会の詳細は後日アップしたい
あまりにも感動したので友人にもお勧めした
わたしも、もう一度観に行く予定だ
絵を観る体験が、旅をしたときと重なる
一日の出来事なのに数日間家を留守にして別の場所に行ってきたよう
時間の感覚が狂う
瞬間が持続する
素晴らしい日になった
今日もおつかれさまでした
明日も安全な一日になりますように
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