おかえりなさい、おやすみなさい

おかえりなさい、おやすみなさい

はっきりとくっきりと去年のわたしの一日が蘇る

四月の最後の日曜日

約八日間滞在したした国から帰国した

約二時間かけて自宅に戻る電車に揺られた夜のことを思い出していた

午後十時

すっかり暗くなった空と人気の少ない車内、約一週間留守にした日本の国は、どこか窮屈で大らかな所がなくミニチュアのような世界だった

空気は清潔なのに充満して灰色に見えた

無事に帰国していまここにいる

四月の最後の日曜日

去年の自分に対してひとこと掛けてあげたい

おかえりなさい

明日から一週間が始まる

大きな旅や大きな飛躍は望めない

わたしはわたしの限界を知った

できることをできるなりに自分なりに歩いていく

自分が自分でしかないことの不自由さと、自分が自分でいることの大切さ

ふたつを抱えながら、元気でいられることに感謝して

明日も安全で素晴らしい日になりますように