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執筆者の写真Megumi Karasawa

素地の魅力、イメージは物質の存在なくして存在できるだろうか?

停滞から前進のループ


とある日、夏の展覧会に向けて新しい提案をするべく下準備を進めているのだった

そうこうしてるうちに早くも約2か月前…当初の予定では1〜2ヶ月前には作品は仕上がっている予定である💦


展覧会の参加を決めたのは半年以上前

その間、紙の上で実験を重ね、重ね、重ねを繰り返している

繰り返しとは停滞🔁混濁🔁放置🔁再開🔁前進のループのこと

絵画でしたいことが思うようにできない違和と見た目には変化が現れない活動は、ぐるぐると自分の尻尾を追いかけ回る犬を思い起こさせてならない

これまでの作品に縋ろうとしても納得できない、異なる感覚に戸惑う

無理に動く、力づくで動かす

しすぎてしまう、なにもしない

意思も偶然も時間もアクシデントも感情も自然の配慮も、物理的な原因も連動して「こうなった」をつくりだしている、各箇所のズレが余白をうみ、余白がないと面白いものはうまれない



コラージュ、アンフォルメル


ここ3年くらいの制作上のテーマはこの2つ

・コラージュ

・アンフォルメル


ずっと作品を見ている方々は頷いてくれるだろう

まさにこれを挑戦し、ほぼこれ以外せず、これがキッカケを与え作品ができたのだった

しかし手詰まりを感じ始めたのは今年の3月頃から

打開したい、何をすべきかわからない、何を表現していたのかもわからない

コラージュを選んでいることが最適かと自問する

しかしここ数週間の仕事で内容は変化したのだった

既に出ている癖やその傾向から見えた特徴、学んだ部分はそのままに、作品に強さが加わったのだ、それに反する他の要素…例えば繊細さについてはもっと意識的になることが大切だと気付く

繊細さとは余白や隙間に対する感覚、小休止…ブランク…

これらの要素はその作家と作品のキモであるような気がしてならない

東洋的、日本人、国民性といった日本ぽい、的な感覚(は最初からあるよね?)というだけには収まらない世界共通のもの.それは「どれだけ描いて磨いた感覚」かということを含んでいる

なんてことない白い紙、余白に対する感覚が試されているのだった


コラージュは何かと何かを接着すること、貼り付けていく仕事だからこそ貼り付けずそのまま残す部分をどこに作るかをいちばんに気にしたい

これがコラージュにおける余白と考える、素地を残すことは挙動のひとつと数える

地の白がどんな白よりも白いという、一度ならず聞いたことある話しに繋がる

紙の白を最後まで残す素描について…の話、耳タコになるくらい聞いたよなあ…



キャンバスや紙などの支持体、規定材のもともとの白さをそのまま活かすことについてのレポート
紙のもともとの白さ、残しますか?


イメージは物質的な存在なくして存在できるだろうか?


セザンヌ(Paul Cézanne, 1839年1月19日 - 1906年10月23日)の塗り残しを論じたテキストを読みながら、地を残す制作上の技法と視覚的な効果を考えてみる

またポスト印象派が行った制作のひとつ、色を塗るのではなく置くという技法とモダン・アートの始まりを念頭に置きながら芸術が持つ「モノ」としての側面、イメージに形を与えたいという心理について考えたい


今日、偉大な芸術家たちの塗り残しのある作品はわたしたちの目に、新しいものには映らない

未完成だとも思わない

それが現代(モダン)の感覚でその効果がもたらすものは快とリズムである

加えて、作家の息遣い、生々しさや臨場感、衝動的な感情など目に見えない要素をそこから感じ取る

絵画はイメージされたモノとしての物質であり、それを求めるのは、形のないものを共有し精神的な繋がりが生まれるという側面(のため)だろうか?本能的な接触、自分との距離を詰めるには物質の持つ存在感がどうしても必要なのかもしれない、しそうだからこそこうして絵画が保存されわたしたちの眼に触れるモノとして在るのだ

目に見える現実感、実物がわたちたちが本来持つ生理的要求に応えるのだろう


描かれたキャンバスや紙が本来持っている素地を見せる塗り残しは、作家の息遣いや生々しさ、ダイレクトに訴えるイメージの現前に立ち会うこと、その消失と不可侵性を感じさせる

支持体の物質感は触感覚に訴える、イメージの生成とそれを支える現実の臨界点


イメージは物質の存在なくして存在できるだろうか?


無数のイメージは積極的にわたしたちの営みにコミットする

見えない不安や恐怖、未知への渇望、帰属意識をもたらす個々の想いや記憶

それらは名付けられない「なにものか」であり、作品はそれらが託され反映されたモノとしてこちら側に在る


存在なくしてイメージが存在しうるかどうか、それはわからない


「第8回菜々燦会」8月27日~9月1日@春日部中央公民館2Fギャラリー
2011年 個展風景、今年この場所で13年振りに展覧会に出展します

「素地の魅力、イメージは物質の存在なくして存在できるだろうか?」を読んでくれてどうもありがとうございます


梅雨入りしましたね、例年より2週間遅いとのニュースもありこれから本格的に雨の季節に入るのでしょうかね…このズレが夏の猛暑にどのように影響するんだろう、フィジカルとメンタルが健康でいられますように

今回のBlogは制作している作品がまとまりはじめ、かたちになってきた手応えがあるので書けました、断片を回収しようやく作品になりそうです

小さなドローイングをFacebookで公開しています、どうぞご覧ください

この夏素晴らしいメンバーに恵まれた展覧会に参加します

👇

【第8回菜々燦会】

■会期:8月27日(火)~9月1日(日)

■開催時間: AM10:00~PM5:00(初日PM13:00~、最終日PM4:00)

■場所 :春日部市中央公民館 2階ギャラリー

>住所: 344-0061 春日部市春日部6918-1

>電話 :048-752-3080

>交通 :東武野田線(アーバンパークライン) 八木崎駅 徒歩2分



【The Eighth NANASAN-kai】

■Dates : August 27 (Tuesday) - September 1 (Sunday)

■Hours: 10:00 AM - 5:00 PM (from 13:00 PM on the first day, 4:00 PM on the last day)

■Place: Kasukabe City Central Public Hall 2F Gallery

>Address: 6918-1 Kasukabe, Kasukabe City, 344-0061, Japan

>Telephone: 048-752-3080

>Transportation: Tobu Noda Line (Urban Park Line) Yagisaki Station, 2 min. walk



こちらは埼玉県春日部市にある中央公民館で行われている定期的な展覧会です

天井が高く、壁面と床面の広い贅沢な空間をめいいっぱい使い平面作家6名が会場を作り上げます

この場所で作品を展示するのは13年振りです、どんなことができるか楽しみです


旅で持ち帰った様々な要素を反映させ大きな空間に展開するのは新しい挑戦です

ぜひぜひ会場でご覧ください

お待ちしています


個展の開催が決定しました

👇👇👇

■10月11日~10月20日

MegumiKaraswa個展

M-Gallery

埼玉/川口


こちらも併せてご来場をお待ちしています☺

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