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肉体的な感覚を持ち「みる」。

更新日:8月11日

描いた風景に似てきた風景


夏の展覧会の出展作品を制作しています

過去作を含む20点を出展する予定で準備を進めています

リスボンの展覧会に参加したあとでこれまでと異なる感覚がありました、それは

「現実が描いた風景に似てきた」

ということ


このドローイングは現実の風景からイメージしたものや、記憶に基づくものではありません

2023年、「見る」ことを疑い、絵の上下を逆さまにし、現実をひっくり返して価値の転覆を図りました

しかしこの方法はわたしにとって「忠実」ではありませんでした

何に対して「忠実」でないのか…

現実をみているという過ちを認識していないことに対してです

つまり「みる」という行為はもっと複雑だったのです

複雑であることを知った今、元には戻れない脳と視覚を持ち合わせています

これは現実が絵画に似てきたことを物語ります


↑これはFBに投稿したドローイングに付けたテキストです

A4サイズでは気づかなかったことがパネルに移したら視覚化されたのでした

制作中のパネル作品は垂直方向と水平方向をそれぞれに3分割、4分割し、四角形や円などの図形を組み合わせて構成しています

複雑で、雑多な印象を与えるのは視覚の中心になるもの(消失点)がないためです

左右で別々の画像を並置しながら、ひとつのイメージに収斂します

その先に何があるだろうか…

見たものではなく見えるようになった画像が、見られることによって「みる」ことを問います


「みる」ことを問う

これがわたしの仕事の中心です



車を運転中にフロントガラスから見た風景はそのまま、作品のようだった
運転中にフロントガラスから見たものは…???

心配要らない、やがてモデルの方が肖像に似てくる


ある日、車を運転をしているとフロントガラスに映る街並みが作品のように見えたのでした

これまで現実の風景から見たものを主体的に組み合わせ構成した作品を作っていたのが、あの日以来、以前のようには見えなくなってしまいました

かわりに見たのは作品に似た風景なのでした


ピカソがガードルード・スタインの肖像を描いたとき言った言葉…

「心配要らない、やがてモデルの方が肖像に似てくる」


この言葉

描かれた人物に生身の人物が似てくるというのは肖像画では特に顕著になります

というのは人物を通して、見ることの向こう側を描いているからなのです

人物の特徴を精確に写しとるのではなく、肉体的な感覚を持ちながら見た先に何が顕れるかを見せる絵画は、「みる」ことが触感覚を伴う能動的な行為であることを思い出させるのです


これが風景にも通ずる…

というのは初めて味わう感覚でした

「みる」という単純な行為から、わたしたちの知覚体験の危うさと、主体的に組み立て構成し直す不安定で脆弱な揺らぎある脳のメカニズムの一端を垣間見た瞬間となったのでした


パブロ・ピカソ(Pablo Ruiz Picasso 1881~1973)

「ガードルード・スタインの肖像」

 1905/06年冬から1906年秋

99.6x81.3cm

ニューヨーク・メトロポリタン美術館蔵



ポルトガル・リスボン中心街にある「ポンバル侯爵広場」をモチーフにした実験的小さなコラージュ作品
【広場とロータリー】2024

広場とロータリー


リスボン渡航を終えたあとの変化といえば…「色彩」に近くなったことです


「色彩」については「新しい旅のはじまり」という以前のブログがありますが再確認💡

(👉過去の記事はこちらから「新しい旅のはじまり」


仕事を始めて以来

色彩に対する注意や配慮はしたことがなかったこと

色彩を無視した絵画は存在しないこと

から色について能動的な行為をしたいと色彩に取り組むことを新しい旅のはじまりとしました


そのきっかけとなったのは「広場とロータリー」というモチーフです

これはポルトガル・リスボン中心街にある「ポンバル侯爵広場」の彫刻と柱像をモチーフとしています

この像の周りをぐるりと取り囲むように配置した街と道路が一日中活気に溢れ動き続けている様子を360度回転する視点を想像し、その眺めを描いています

リスボン特有の色彩感覚を重視しながら、次第にそれにとらわれない色をも取り入れるようになりました

カラーブロック絵画のように塊として大きな面積を大胆に配置しながら、色が与える心理的な印象を確かめています

この小さな実験のドローイングが「色彩」にたいする足がかりになりました

さらに色を知るために描くことが必要です


第8回菜々燦会8月27日~9月1日 春日部市中央公民館2Fギャラリー
今年初めて参加する展覧会

「肉体的な感覚を持ち「みる」。」を読んでくれてありがとうございます


今年は例年より遅い梅雨入りがあり、例年より早い梅雨明けになりました

梅雨の短さは地球温暖化の影響もある??気象変動によって影響を受ける人間の身体もまたじわじわと変化をしていくのかもしれません😶こうなると、身体のどこの機能が発達し、衰えていくのかも興味が湧くところです

個人的には…夏、待ち遠しかった~😆ここからいよいよ体調万全、メンタル安定の時期に入ります(梅雨明けまでは辛抱の時期)

菜々燦会展が8月27日から、10月には3年振りの個展開催を控えています

今年は初めましての方々にお会いできる機会の多い年になります、是非会場に足を運んでもらえると嬉しいです🎨🖼️🩴👒


【第8回菜々燦会】

■会期:8月27日(火)~9月1日(日)

■開催時間: AM10:00~PM5:00(初日PM13:00~、最終日PM4:00)

■場所 :春日部市中央公民館 2階ギャラリー

>住所: 344-0061 春日部市春日部6918-1

>電話 :048-752-3080

>交通 :東武野田線(アーバンパークライン) 八木崎駅 徒歩2分



【The Eighth NANASAN-kai】

■Dates : August 27 (Tuesday) - September 1 (Sunday)

■Hours: 10:00 AM - 5:00 PM (from 13:00 PM on the first day, 4:00 PM on the last day)

■Place: Kasukabe City Central Public Hall 2F Gallery

>Address: 6918-1 Kasukabe, Kasukabe City, 344-0061, Japan

>Telephone: 048-752-3080

>Transportation: Tobu Noda Line (Urban Park Line) Yagisaki Station, 2 min. walk



こちらは埼玉県春日部市にある中央公民館で行われている定期的な展覧会です

天井が高く、壁面と床面の広い贅沢な空間をめいいっぱい使い平面作家6名が会場を作り上げます

この場所で作品を展示するのは13年振りです、どんなことができるか楽しみです


旅で持ち帰った様々な要素を反映させ大きな空間に展開するのは新しい挑戦です

ぜひぜひ会場でご覧ください

お待ちしています


個展の開催が決定しました

👇👇👇

■10月11日~10月20日

MegumiKaraswa個展

M-gallery川口

埼玉/川口


こちらも併せてご来場をお待ちしています☺

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