先月4月23日~4月27日にリスボンのアルカンターラ図書館を会場に 「Diálogos Ibéricos」(イベリコ対話)展に招待して頂き平面作品4点を出展しました
本展覧会は4月25日ポルトガルの自由革命50周年を記念した文化事業の一環としてスペインとポルトガルのアーティストを中心に絵画・ドローイング・彫刻作品で構成した絵画展です
イベリコ半島に属する国が対話し結束しながら新たな友好関係を築くという目的も含まれていました
期間中には二つ企画が用意されました
スペインの詩人による詩の朗読、ドキュメンタリー映画の上映と「芸術と革命」をテーマにした講演です
まず今回の展覧会のメインテーマとなった「自由革命」とは一体なんでしょうか?
この革命は通称カーネーション革命として知られています
ヨーロッパで最長に続いた独裁体制をほとんど無血で終わらせ、民主主義を獲得した革命としてポルトガルでは記念すべき日でありその日は祝日になっています
銃口にカーネーションの花を挿した戦士にちなみ、カーネーションがシンボルになっています
(日本で赤いカーネーションと言えば「母の日」ですが、ポルトガルに行くと「革命」のシンボルになるんですね!国が違えば花一輪の意味も違うのだった)
街にはいたるところにカーネーションとAbril25と印刷されたポスターがたくさん貼られていました
図書館のエントランスには子どもたちが描いた可愛らしく優しい色使いのカーネーションとAbril25と書かれた絵が飾ってありました!それを見てとてもほっこり…国は違えど描く絵は日本の子どもが描くものと少しも変わらなかったから…
子どもたちにもしっかりと根付きポルトガル国民にとって特別な日であることを実感しました
当日は生のお花をポケットに挿す人、バッグに入れた人を見かけましたがその姿はおしゃれで自然体!
人々が広場に集まりカーネーションの花を掲げたお祝いのイベントも開催されたようです
記念すべき日を会期中に向かえる本展
オープニングパーティでは展覧会メンバーであるスペインの作家が自由革命をモチーフにした小説を刊行したのでその紹介があった後、スペインの詩人による詩の朗読が行われました
会場を訪れた多くの観客はその時間を楽しみ肩を抱き合い賑わいを見せていましたよ
二日目はスペインの内戦をテーマにしたドキュメンタリー映画の上映と、両国のアーティストによる「芸術と革命」をテーマにした講演を行いました
場の雰囲気で特に印象的だったのは、登壇者と観客の活発なやりとりがあったこと
両者はお互いの意見に注意深く耳を傾け、自分の感じたことを言語化し真剣な内容を話しているのが伝わりました
ポルトガル語とスペイン語だったので内容は分かりませんでした
しかしこの場にいられたことに小さく感動し、この映画を撮影した監督が居合わせ自作を紹介していたので贅沢な企画でした
今回ご縁があって日本から参加する機会を得ましたが、最初にお話しを頂いたときはメインテーマの「カーネーション革命」は全く知りませんでした
イベリア半島ではなく日本に住むわたしが参加する意味に戸惑いました
話を伺ってみると
✓既存の作品が展覧会のテーマに沿わなくてもよいこと
✓海外に作品を直接露出できる魅力的な機会を逃したくはなかったこと
✓日本から参加者を迎えることがこの展覧会にとってプラスになる可能性があること
が分かり参加を決めました
参加するとなった次の段階は展覧会カタログに掲載する作品画像と作品のテキストを求められました
カタログには今年描いたドローイングを4枚選びそれに沿ったテキストを提出しました
他の参加者たちはキュレーターを中心に半年以上前から頻繁にやりとりをし事務的な作業をし、両国を訪れ経験を共有し直接対話をしながら準備を進めていました
この時点でまさか自分がポルトガルへ行くなどという大胆な考えには至っておらず、無事に作品を海外に発送することだけが仕事の中心でした
展覧会開催日が決定したのは去年の年末前だった気がします…キュレーターから税関は時間がかかる、展覧会に間に合わなくなるかもしれないからなるべく早く作品を送るように何度も助言を受けました
発送する作品は新作でなくてはならないというこだわりもあったため、スケジュール管理にプレッシャーを感じながら寒い時期に準備をしていたのを思い出します
しっかり梱包して作品を発送し終えたら、次の懸念…
作品が現地に入ってからが長くなかなか届かない!無事にちゃんと届くのだろうか…「待つ」ことしかできないのに、待てない気持ちが不安と焦りをより大きくしました
(👉アートを海外へ発送する)
一か月かけて作品が図書館に到着したとき、わたしの展覧会参加は既に為されたものになっていて
すべきことは終え、後は現地の様子をSNSを通して見るだけ…そう気軽に考えていたのですが
考えもつかなかった大きな決断をすることになるのです
次回に続く☺
「ぽるとがる紀行いべりあ半島への扉」を読んでくれてありがとうございます
渡航を終えて今想うことは約三年前にジョゼ・サラマーゴ(José de Sousa Saramago1922-2010)が書いた「見知らぬ島への扉」(O Conto da Ilha Desconhecida (1997))という作品に出会って以来ポルトガルという国に郷愁(Saudade)と希望のシンボルを見出していたのかもしれません
「島を見たいのなら、その島を離れなければならない、自分のことを知るには、自分から自由にならなければならない」
この言葉は当時のわたしにとてもしっくりとじんわりと深く浸透しました
ポルトガルというのはある意味、象徴のひとつで、現時点で最高の挑戦をするという意味だったのではないか…?そんな風に思えてくるのです
あえて挑戦をしないといけない個人的理由に突き動かされたから、日本を離れる必要があり一人で海外へ出発するという行動へと結実したのでしょう…
この経験が作品にどのように影響をするのか、経験から反映されるものは何だろう?
それを発表できる次の展覧会はこちらです
帰国後の新作を含めた内容になります!
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■8月27日~9月1日 春日部市中央公民館2F展示室
「第8回菜々燦会」
一昨年参加した企画展のギャラリーで知り合いになった日本画家さんにお誘い頂きました
こちらは埼玉県春日部市にある中央公民館で行われている定期的な展覧会です
天井が高く、壁面と床面の広い贅沢な空間をめいいっぱい使い平面作家6名が会場を作り上げます
わたしがこの場所で作品を展示するのは13年振りになります
2011年ここで個展を開催しました
ロール紙に描いた作品を会場の天井から床に垂らし作品世界を大胆に展開する
インスタレーションを行いました
今後の仕事に弾みをつけようと気負っていたことを思い出します
個人的にこの場所で作品を発表することは活動初期の自分の姿を思い起こし
感慨深く感じます
今回持ち帰った様々な要素を反映させ大きな空間に展開するのは新しい挑戦です
ぜひぜひ会場でご覧ください
お待ちしています
個展の開催が決定しました
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■10月11日~10月20日
MegumiKaraswa個展
M-Gallery
埼玉/川口
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