グループ展で心がけていること
- Megumi Karasawa
- 2月19日
- 読了時間: 3分
印象派展から学ぶこと
今年の展覧会の日程が一部決まった
秋に個展、グループ展も参加する予定だがまだどうなるかとわからないという状況
ひとつ決まると次にもうひとつ、さらにもうひとつと活気づく
個展とグループ展では当然ながら運営や準備も異なる
去年わたしが参加した海外のグループ展ではひとりのオーガナイザーがメンバー間を取りまとめ会場配置と展示空間の調整を主導しカタログ作成も行った、またポスターやチラシといった広報宣伝やキャプションの用意、事務処理等の経理もすべてオーガナイザーによって行われた
参加者は事前にカタログ作成のために出品作品の写真とASを提出した
当日、参加メンバーは作品を運び会場設営はオーガナイザー主導の元それぞれが壁面に展示をした
グループ展を自主開催する場合もある
メンバー同士がそれぞれ意見を出し合って運営から広報、事務処理、会場構成を行う
この方法はメンバーひとりひとりに不利がないよう平等に作品を展示することを良しとする傾向にあり会場は統一的で均一な印象を与える
絵画展も例外なくまとまらないという危機的状況が必ずおとずれる
それぞれが異なる目的を持って臨んでいるから当然といえば当然の成り行きなのだが行き詰まる
そんなときはどんな場合も折衷案が採択されるのだ
わたしがグループ展に参加するときに心がけていることはグループ展のその後を見据えて行動をすることだ
それは会の存続のためでもある
例えば1874年パリで開催した第1回印象派展は初期メンバーを中心に会を重ねたが毎年メンバーが入れ替わった
全8回すべてに参加したのはカミーユ・ピサロひとりだった
メンバーが変わっても会を重なる難しさというものを感じさせる印象派展の内実は人間的で面白い
金銭面や人間関係は会に大きく左右した
メンバー間の軋轢はあって当然と考えるのが無難だろう
わたしは一度グループ展を企画・開催したことがあるが内容を詰め話しを重ねる毎に人の本音と方向性の違いが明らかになっていった
当時はメンバーがまとまらないのは自分のせいだと強く自己非難をした
グループ展はビジネスと似てどんな人物とうまく仕事をするかできるかでプロジェクトの成功に関わる
自分と似た人、自分と正反対の人、苦手な人、噛み合わない人、波長の合う人
人のいろんな意見に耳を傾けることができる人はそうはいない
意見を押し付けるか聞く耳をもたないことが多くわたしもその点自分を見直し反省したい
いろんな人がそれぞれの目的をもっているという大前提に立ち折衷案で良しとする引きの姿勢が存続には必要なのかなとおもうのだ
作品を出品するだけにしても関わりは避けられない
絵画ではなく自分の肉声で人とコミュニケートしないとならない
人間同士の欲や見栄、自尊心の表出は絵画と無縁ではいられない
人間の姿はどこを切り取っても違う断面が現れるからこそ他者へのまなざしや理解の難しさを痛感する
今年のスケジュールが一部で決まり気持ち的にも活気がつきいよいよという気持ちが湧きたつのだった
今日もおつかれさまでした、明日も素晴らしい日になりますように
リスボンは本当に美しかった
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