夢の、はなし
- Megumi Karasawa
- 8月8日
- 読了時間: 3分

個展の制作が始まり、具体的な作品構成も一通り目処がついたところで、今日は少し趣向を変えて、夢の話をしたいと思います。
夢と言っても、寝てみる夢のことです。私にとって鮮明でストーリー性のある夢は、時に何かに導かれるような不思議な体験を与えてくれます。ここ何年かそんな夢を見ていなかったのですが、昨晩、どうしても不思議で示唆に富んだ夢を見たので、今日はその話を記しておきたいと思います。
体育館と教室、そして誘惑
夢の中の私は、どうやら中学生のようで、体育の時間にバレーボールの片付けをしていました。チャイムが鳴っても片付けが終わらず、次の授業に遅れてしまいそう。
ようやく片付けを終えて教室に戻る頃、なぜか顔知り合いのご年配の方々に誘われ、別の教室に行ってみると、そこはこれから祝宴が始まる気配がありました。
鍋を囲んで、楽しそうに談笑する人々。しかし、私は断固としてその誘いを断り、次の授業へ向かうことにしました。その時、そこにいた年配の女性が、なぜか涙ながらに「お誘いしてごめんなさい」と謝ったのが印象的でした。
授業をさぼってしまう誘惑に駆られたけれど、戻らなければならないという強い気持ちと、先生に怒られるかもしれないという憂鬱な気持ちが入り混じった、そんな夢でした。
「授業」に戻る、ということ
目が覚めて、私はこの夢が伝えたかったメッセージを読み取ろうと考えました。
夢の中の「祝宴」は、もしかしたら、私が作品制作から背を向けたくなった誘惑の象徴だったのかもしれません。
集中できない。
夢中になれない。
気力がない。
そんな気分に支配され、他のことで気を紛らわせていた、私の怠慢な気持ち。
ついつい動画を観てしまったり、惰眠に時間を費やしてしまい、何も生産性のないことをしてしまったことへの強い後悔。その感情こそが、私にとっての「祝宴」だったのだろうか、と。
そして、「次の授業」とは、まさに今、目の前にある個展という大きな仕事のこと。
もしあの夢の中で、私が誘惑に負けてしまっていたら、きっと後悔していたでしょう。
目覚めた後の今日一日を精一杯描こう。そう思えたのは、夢の中の私が、誘惑を断ち切る意志を持っていたからです
この夢を見てからは、気分が乗らなくても、まずは具体的なことから手をつけていくことにしました。手を動かすのは絵を描くだけでなく、事務作業や画材の注文、スケジュールの再構成などから始め、徐々に「制作」という思索へと移っていく。小さな作業をひとつづつしていくことでした。
この夢は、「自分の仕事に戻りなさい」という、私自身からのメッセージだったのかもしれません。背筋を伸ばして、心を入れ替える。そんなふうに思わせてくれる、不思議な夢のお告げでした。
コメント