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作品を露出するだけ。で終わらせない個展!

現代アーティストMegumi Karasawa個展のテーマ「まなざしと差異」を発表し、いよいよ本格的に制作をスタートしました。
「空気感」を失わない作品を。

先日、ブログで個展のテーマ「まなざしと差異」を発表しました。テーマが決まってからというもの、頭の中でバラバラだった思考のピースが、一気に繋がり始めたような感覚です。そして、本格的に制作に着手しました。


今日は、その制作の第一歩である「ドローイング」と、テーマをどう結びつけているのかについてお話ししたいと思います。



ドローイングに託す「見えないもの」


私の制作の多くは、まずドローイングから始まります。

紙の上で、墨や木炭、クレヨンを使って線や面を描いていく。このドローイングは、単なる作品の下絵ではありません。それは、個展のテーマとなった「まなざしと差異」を、私自身の身体を通して思考する、最初の「試み」です。

ドローイングの段階では、頭の中にあるイメージを線や面や色を使って無作為に描きます。描いている最中に、偶然生まれた色の滲みや、手の動くままを大切にしています。なぜなら、それらがドローイングの持つ自由さや、人間の思考の揺らぎを最も正直に示してくれるからです。

さらに、絵を描くだけがドローイングではありません。文字や記号、時には文章にしながら、思考を「クロッキー」していきます。

これらのメモやドローイングを見返して、作品となる支持体の上で何が起こるか、どんな「見えないもの」を可視化できるか、探求する。私にとって、探求するに堪えうるテーマの興味深い謎を見つけることこそが、創作の芯となるのです。



「空気感」を失わないこと


今回の個展では、ドローイングで探求した「まなざし」を、いかに作品に昇華させるかが鍵となります。

以前のブログでも書いたように、私のドローイングは、思考と手の記憶、雑多なメモとして存在します。それは、描く対象の「絵とそれ以外」に境界線を引かず、カタチとコトバをつなぎます。

このドローイングを元に作品にしていく過程で、どうしても失いたくないものがあります。それは、画面の中にある「空気感」です。昨年頃から、この空気感を持たない作品を数多く作ってきました。今回は、表面的な面白さだけでなく、描くものの「存在」の雰囲気や空気感を失わない作品にも取り組みたいと考えています。



キュレーションという、もう一つの挑戦


大きなテーマが決まったことで、制作への道筋が明確になり、新たな、しかし喜ばしい葛藤が生まれています。

今は過去のドローイングをヒントに、最終的にどのような内容にしていくか、作品構成や会場全体の配置などを考えています。それらが一つに収斂した個展空間が、どのような「まなざし」というストーリーを紡ぐのか。


今回の個展は、単に作品を「露出する」という実績だけでなく、空間全体をキュレーションし、一つの成果として形に残したいのです。

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