空間構成:作品と鑑賞者を繋ぐキュレーション
- Megumi Karasawa
- 8月14日
- 読了時間: 2分
個展の開催が迫り、作品の制作と並行して、もう一つの重要な仕事を進めています。それは、「空間構成(キュレーション)」です。
個展は、会場にただ作品を並べるだけではありません。作品一つひとつを最も美しく見せる方法を考え、会場全体で一つの世界観を創り出すことで、鑑賞者の体験をより豊かなものにしたいと思うようになりました。7月のグループ展を経て、どんな空間構成にするか考えています。
まなざしが交差する空間
今回の個展のテーマは「まなざしと差異」です。このテーマを空間全体で表現するために、いくつかのアイデアを構想中です。
例えば、作品間の「距離」をどのようにとるか。密接に配置することで、作品同士が対話しているような空間をつくるのか。あるいは、余白を大胆にとることで、一つひとつの作品が持つ「まなざし」を際立たせるのか。
前回の個展では作品を壁一面に展示し、展示できない部分は床に直に置きました。
床に立て掛けたのは、意図的でギャラリーを自分のアトリエの内部に招待したかのような演出をしたかったからでした。
ギャラリーは入り口に面した大きなガラスから内部が見られる作りになっているので、外からみても空間がまとまって見えるように工夫をしました。
ガラスに向けて作品を立て掛けることで、鑑賞者の視線を集めるようにしました。
その展覧会の様子をYouTube動画でご覧いただけます、どうぞご視聴ください↓
作品の「配置」も重要です。過去の作品に加筆を施したキャンバス作品と、新作のドローイングをどう配置するか。過去と現在が混在する作品群をどのように配置することで、鑑賞者が時間の流れを感じられる空間にできるでしょうか。
空間がもたらす「差異」の体験
私は、作品だけでなく、空間そのものが、鑑賞者に「差異」を感じてほしいと思っています。
例えば、会場の入り口から作品をどう見せるか。特定の作品にまず目がいくように導線を設計するのか、それとも、あえて全体を見渡せるように開放的な空間にするのか。そうした空間構成の選択一つひとつが、鑑賞者の「まなざし」を誘導し、一人ひとりの異なる体験を生み出します。
作品が持つ物語を、空間全体でどう表現していくか。私自身もまだ答えを探している段階ですが、この思考のプロセスもまた、創作の一部だと感じています。
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