展示空間を変える
展覧会8日目
お客さんと話すと自分のこたえがある方向に収斂していく感じがありました
それは「建築」的な要素を背景に絵画を展開すると面白くなるかもしれないということ
絵画の世界を裏付ける立体作品があればいいなということを想像した瞬間でした
具体的には彫刻的空間にしたいという願望が芽生えたのでした
なぜそのような気になったか…このギャラリーを運営するのが建築アトリエだったからかもしれません
絵画について話すうちに自分の作品は立体的なものをつくるためのドローイングなのではないかという気分になっていきました
これは彫刻家のデッサン?下絵?
「それ」をつくるために描いている?
パネル作品が完成したときはそれが何かのためのドローイングだという認識は全くありませんでした
しかし一度それに気付くとこの作品はそうとしか見えなくなっていました
これが正直な気持ちでした
絵画作品として観る人にとっては、期待を裏切ることになるだろうなと…
それまでずっと天気がよかったのですが一日小雨が降った日がありました
数日間ギャラリーに詰めてお客さんをお迎えしていたので疲れも出てきた日でもありました
雨降りの静かな時間に、この展示が始まる前のプランを思い出していました
それは白壁に展示する作品は木枠を外して…ということでした
「あ」今やらないと後悔する…
お客さんのいない時間に思い切ってパネルを木枠を外しました
そうすると展示レイアウトとスポットライトも変えないとならないほど印象が違ったのでした
作品はすっきりと見やすく、壁面にピタリとはまった感じがありました
四角い空間に充満したちぐはぐな空気の流れ、空気の被膜がおおらかに移動をはじめたのです
空気を重くしたり軽くしたり比重をコントロールすると場が変化するのをこの眼ではっきりと見ました
会場構成をぎりぎりまで見極めること…展覧会の肝心な部分は構成、照明、空気のコントロールにあったのです
これ会期8日目で気付いたのです💦
本当ならお客さんが入る前、その作業に神経と時間をかけるところだったのですが…
前半に観に来てくれたお客さんにもう一度この空間を観てほしいという無念さ、後悔がのしかかりました
しかしこれは失敗だろうか?経験の少なさからくる学び…大切なことを掴んだ収穫の日になりました
作品ひとつひとつから全体像へ
3年振りの個展は自分の成長度合を知るなくてはならない10日間でした
今年の4月にギャラリーを内覧し10月に展覧会をすることを決めて、スケジュールは無計画に近い衝動的なところもありました
しかし予定を立てることが大事でした
部屋から飛び出して、オンライン上ではなく世の中と接点を持つこと、人に出合っていくこと、場所に置くこと
それが目的で目標でした
展覧会を開催することにまつわるひとつひとつが前回より、よく見えました
どう動かしていくか、どう動けばよいか、そのルートはもう知っている感覚でした
だからか不安や焦りや緊張はなかったんですよね…こんなこと初めてかもしれません
会場に作品を運びその空間ごと、作品にするという視点が大事だということは上記のレポートで記せました
大元のステートメントから枝分かれしさまざまな切り口で作品を展開していく可能性を見出しました
どんな場所、条件、形態であっても場ごと作品にする柔軟さを持ち、空気の流れをスムーズにすると雰囲気が会場に入ったときの第一印象を決めるのです
見えないものに手を加えるこの作業をもっとしたい…空間に対する感覚、持ち味なんです
自分で企画した展覧会がゆっくりゆっくり実るだろうと信じています、時間差でギフトをもたらしてくれると信じています
展覧会がなければならなかったんです、個人的な切迫感から救済する方法でした
会場に観に来てくれたお客さんひとりひとりに心から感謝を申しあげます
改めてありがとうございました
「2024個展開催「風景の構造」#9 木枠を外す」を読んでくれてありがとうございます
このレポートは展覧会中のメモを整理しながら書いています
会期中と会期後の感想が入り混じったものになっていて、3日前に生きていた自分の楽観的な態度に呆れてしまい、今の自分は環境や状況の虜になって焦燥していて不安でドキドキしている状態です
10月になった途端、文化的な行事?展覧会が増えて友人たちも展覧会しています
お互い刺激を受け励まされ勇気つけられます
「なぜ絵を描くのか」そのこたえは描く人の数だけあります
次回、個展開催のレポートが10回目、最後になります
引き続き読んでくれると嬉しいです~
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