場
展覧会も半分を過ぎました
観に来てくださる方々は川口在住の方が半分、友人・知人が半分の割合です
地元の方はここにこんな場所があったんだ!と仰っていますね
交通量の多い道路に看板を出しているのでそれを見てギャラリーに入って来てくれる方がほとんどです
入り口までは日常と非日常を分かつような数メートルのアプローチがあり、通りから見えない場所にギャラリーがあります
わたしは普段SNSに作品を投稿しています
ここ2~3年間はFBに集中して広くみてもらうよう取組んでいました
大きくてもA4サイズ以上のものを拡大して撮っていたので実際に観てみないと分からない…というのがお客さんの本音だったのだとおもいます
FB経由でリアルで作品を観たいと足を運んでくれた方は5名でした
そのうちの2名の方は初対面でした
初めて個展をした2005年はFBやmixiなどが主流で、すごく近い友人に近況を報告するとか、テキストで会話する程度で見ず知らずの相手に国内外に向けて自分の活動をリアルタイムで発信することは恐れが多いというか考えられないことでした
恐れというのは、プライバシーの観点からです
初めての個展は銀座のギャラリーで大学を出たての頃にしました
卒業制作を観てくれたギャラリーの方が声をかけてくれ個展が実現しました
作品は卒業制作にプラスアルファしたインスタレーションで観に来てくれたのは友人や知人でした
2~3人の方が通りすがりに入って来ました
道路に面したガラスの窓から白い壁面が3つ見えるホワイトキューブに実家で食卓として使っていた机と針金、木(卒業制作で作ったもの)、水を入れたビニール袋と自作の詩を壁面に展示しました
彫刻専攻でしたが扱う素材は「コンセプト」いわゆる概念で、木や石、鉄などを素材にする表現ではないことをしていました
「日日」(ひび)という展覧会タイトルで自分の日常の1日1日を切り取ることをテーマにしました
展覧会が終われば跡形もなく解体する作品、手元には何も残りませんでした
これがわたしのスタートです
それから21年
時代や風潮、アートそのものの捉え方は世間的に劇的に変化しました、個人の発信力、プロデュース力、プロモーション力があればどこにいても誰にでもアプローチできる可能性を秘めていること、関係者や観客、同業者の眼に留まる機会が圧倒的に増えたのです
SNS…特にインスタ映えのブームは2016年とされていますが、わたしがインスタを始めたのは2020年で日本でほぼ一般化した時でした
FBはそれより遅く(一度退会して再登録したのが2021年)開始しました
作品展を頻繁に開催できない分、オンラインなら色んな人に見てもらえると始めたのがキッカケでした
この頃には海外に向けて発信する恐怖はありませんでした、むしろ海外の方のリアクションやメッセージが多くなるようにと英語も添えて投稿することを心がけていました
SNSは一見多くの人に見られているような気になり、画面を通してなら意外と見てる人は多いですが、こうして実際に展覧会を開くと見に来てくれる人は少ないことは隠せない事実でした
それもそのはず物理的な距離と知名度によって差を埋められませんでした
発信が誰に、どこに、何の目的でしているのか、その矢印の方向に疑問を持ちながらも、会期中はFBとインスタを動かしました
この展覧会はギャラリーに作品を運んで自分で会場を構成しました
会場となる空間はコンクリートの壁面と白壁、木材の床といった素材の異なる要素で作られていて、それが特徴になっています
この会場を利用して「もっと面白いことができるのではないか」と想像が膨らみました
場のもつ雰囲気がユニークだったからです
場から作品が思いつくという逆転の発想が新鮮でした
そうなると展覧会をする目的が枝分かれていくような気がしますが、場と作品を考える上で貴重な体験ができたのでした
観客の評価
この個展はレンタルギャラリーで行いました
レンタルギャラリーは場所を借りて作品を展示します
展覧会は個人的なつながりのある方々や地元に住んでいらっしゃる方々に向けて行われました
始まる前から終わりまで自分で管理・運営をするスタイルです
始まる前は告知活動が大きな仕事でお客さんを探すところからスタートしました
ポスティングやSNSで宣伝をし知人友人にはがきを郵送しました
プラス、今回はタイミングが合ったこともあってラジオ出演、You tube出演、雑誌の撮影もありました、どれも初めての経験でこういった広報宣伝を活用しながら展覧会を広く知ってもらうのは必要なことだと認識しましたが、どんなツールを持ってそれを拡散するかについては自分一人でできる限界も見えました
展覧会の内容も会場構成も自分の判断で配置をしました
その判断は主観的なもので、観客の方にどのように映りどんな評価になるかが成功に関わりました
初個展から21年、歩みを振り返るとレンタルギャラリーでずっと個展をしてきました
ギャラリストやキュレーター、コーディネーター、専門家の眼に留まってコマーシャルギャラリーで展覧会をしたことがありません
誰かの眼に留まるような、評価の対象になるような大きな公募展の参加経験もありません
評価される俎上にのることが現実的で重要なことなのだろうか、それを求める自分が出てきたのはなぜだろうか
これまでずっと一人勝手にやってきて、それはいい意味でもそうでない意味でもですが、同じところにずっと留まりもう一段先に行くことのできない理由にしてないか?
絵を観る人は作家が会場にいてお話しできる時間を楽しんでくれました
わたしも作品がどう見られているのか、絵を観る人をみたいと思って会場にいました
さらに作品を購入して頂きました
作品が求められて、その方のお役に立つことができました…言葉がありません
それは成功の大部分を構成する要素です、いまの自分にとってはそのことが作品の「評価」に結びつくからです
今年の試みが次回につながるものを残してくれました
それはこの先自分が想像し思い描く未来に行くために何を選択しどんなルートを取るかについて促すものでした
いちばんは作品ができなくてははなしにならないということです
「2024個展「風景の構造」#8 観客の評価」を読んでくれてありがとうございます
このレポートは展覧会中のメモを整理しながら書いています
会期中と会期後の感想が入り混じったものになっていて、3日前に生きていた自分の楽観的な態度に呆れてしまい、今の自分は環境や状況の虜になって焦燥していて不安でドキドキしている状態です
上をみればキリないし他者と比べても意味ないのに、目の前には「あの色」をした現実に取り囲まれています…「あの色」とは黒です
喜怒哀楽、人間のもつ感情すべてを含んだ色です
個人的なことで恐縮ですが個展中は季節の変わり目とともにこれまであったものが去っていく期間になりました
わたしにできることは、生きることです
皆さまの明日が素晴らしい日になりますように願っています
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