絶不調のときこそ本領を発揮する
度々書いてきた気分と感情のムラで制作が継続しないことへの苛立ち、突発的なアクシデントや急な体調不調で毎日が安定しない、同じ日など一日もないという前提で毎日可かさずする日課(起床、食事、排泄、歯磨き、風呂、睡眠)と同じように「絵を描くこと」も加えたい
気分が安定して健康を長く維持できればいいけれど、そうならないようにできてるかのように何かが起きて何かが静まる
集中して充実した仕事ができる日よりそうでない日のほうが圧倒的に多い
良い状態のときは誰だっていいパフォーマンスができるしいい仕事ができるというものだ
その状態をいかに継続しテンションを保ちながら質を上げられるかを求めていたけれど、もしかしたら違うのかも知れない
反対に絶不調のときいかに日課をし続けることができるかが大切なことなんじゃないかとおもうのだ
まるで動けない日でも筆を握り、鉛筆を握り、小さなドローイング描く姿を自分がみること、ドローイングを直視すること…どんな状態で描いたかなんて見る人にとっては関係ないし絵だけを見るだろう、それがどう思われてもいい隠さずに見せる、すべて見せる
キレイにまとまって良く仕上がった絵を描きたいわけではない、最悪の状態で何かした痕跡を残しそれを見る精神的な強さと勇気が見たいのだ
最低のレベルを出すことを避けていては10年後も同じ地点に留まったままだ
筆が握れない状態であっても描ける人こそ絵描き、絶不調のときこそ本領を発揮しよう
無理してでも
自分に対して掛ける言葉に「無理しない」「休むときは休む」というものがある
無理しなければ疲れは取れるだろうか無理したら悪化するだろうか…それは身体のことであって作品への労りの言葉ではない
作品や制作を考えるなら「無理してでも」作れ、描けという言葉を掛ける(掛けないといけない、これが悪化しない方法だから)
作品や制作によいもわるいもない、どんな時でもそれをつくりうむ
無理してでも描くことは芸術生活上切り離せないことだし、それをしないと病気になるということだ、病気は体力と免疫の低下によって起きる…毎日描かないと病気になる
どんなものであってもいいのだ
どんなものであるかを知らなければともおもう
淀みなく流れる
某日購入していたP10サイズのキャンバスに手をつけた
一枚描くごとに感覚が研ぎ澄まされていくのを感じる、筆を動かさず画面の空気を動かす
少ない色数で少ない手数で画面にたっぷりの余白をつくれたらそれでいい何も加えない…流れているものをストップしないようにシンプルな実践
ここで終わりという点
これ以上入れたらアウトという点
ピカソは91歳でなくなるまで毎日約5点の作品を仕上げねば間に合わない絵を生涯で描いた、その数約15万点
それはもう流れでしかない、淀みや障害のない流れに身を任せるだけ
キャンバスが仕上がるとかいい絵かどうかなんて関係ない、とにかく気持ち良く流れるように描いただけだったのだろう、飽きると途中で投げ出して新しい主題に移るそのスピード、切り替えの早さは誰もマネできない、器用さを不器用さで整える、整えてしまうことができる器用さ…未完成に見えてもまとまっている作品
ピカソのスタイル姿をイメージしながらキャンバスに淀みなく流れるように描く
感覚がつかめたとき、キャンバスは今まで描いたどれよりもフレッシュで生き生きと動いてまっすぐでシンプルで清潔で大らかなものになった
頭の中で複雑にした思考や自分に対するダメ出し、恐怖や不安や優柔不断や曖昧さといった性格がキャンバスに向かい合ったらこんなに単純になってしまうんだと驚きつつ肩の力が抜けた
ここに自分がいればいいだけ
複雑さや色数や技術や知恵や知見がどうだとか細々したことを大きな筆でさーっと!
吹き抜ける風のような一筆に勝るものはない
淀みで濁すと流れは詰まる、詰まりが絵を狭くする
キャンバスの表面は神秘に包まれたベール空気の膜がある
物理的な距離や時間、二次元的な図面や考えは解き放たれ無限の時空に変化する
これが感じられない絵は「絵」のままだ
絵は絵ではないというところへ飛んでいけない
「絶不調」を読んでくれてありがとうございます
週末絵を描くことをしませんでした
風邪っぽくて怠くて早く寝たかったのです、絵を書く気力と体力がありませんでした
この二日間で描かなかった時間と小さな紙20枚分の損失、失った機会を悔いている(こんな気持ちになるなら一枚でも描けば良かった正直)そのとき今回の記事を思いつきました…絶不調のときこそ描く、その流れをを止めない、絵にならなくていい、いいもわるいもない
流れを止めたら淀むし濁る
動いていること、フレッシュさにジャッジは必要ない、描くことしかない
個人的興味として「描きたくない」「描けない」という心理状態のときにどんな絵を描くのかって自分でも知らないし見たことないかも、いつも休んでしまうから…
毎日することに意味は考えない、それと同じようにそれに意味はない、ただ生きるためにすること以外には
今日もおつかれさまでした、明日も素晴らしい日になりますように。
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