『ロスト・ペインティング』探求録:二日目の気づきと、その先に広がる問い
- Megumi Karasawa
- 7月17日
- 読了時間: 2分

グループ展『第9回 菜々燦会展』は、本日で二日目を迎えました。初日に続き、不安定な天候の中ご来場いただき、心より感謝申し上げます。
初日の緊張感と不安が少し落ち着き、二日目の会場で改めて自身の作品、そして空間と向き合った時、私の中に、ある複雑な感情が湧き上がってきました。
広がる空間と、心に生じる「問い」
今回の会場は天井が高く、一人あたり横に10mを超える壁面が特徴です。去年の経験を踏まえ、小作品24点と中作品12点が一つの作品に見えるように色彩を統一し、上下左右にゆとりを持たせて展示するという工夫を凝らしました。搬入を終えた時点では、壁面空間の一体化には手応えを感じていました。
しかし、実際に会期が始まり、鑑賞者の動きや、日ごとに変わる会場の空気を感じる中で、私の作品がこの空間で、本当に意図した通りの響き合いを生み出せているのだろうか、という問いが、静かに、しかし確実に心に広がっていくのを感じました。
それは、作品が持つメッセージが、特定の場において、あるいは特定の鑑賞者に対して、どのように受け取られているのかという、アーティストとして非常に重要な問いかけです。
「努力違い」ではない、次への「学び」
正直なところ、この数日間、自身の作品、そしてこれまで行ってきた広報活動や展開の仕方について、何かが「噛み合っていない」という、もどかしいような感覚を覚えています。この感覚は、まるで懸命に探し求めてきた方向が、実は少しずれていたのではないか、という戸惑いにも似ています。
しかし、この「もどかしさ」や「戸惑い」こそが、私にとって、今この瞬間にしか得られない貴重な「気づき」なのだと受け止めています。それは、決してこれまでの努力が無意味だったという虚しさではなく、私の探求が次の段階へ進むために必要な「負荷」だと信じています。実際に作品を世に出し、限定された反応を受け取る中で見えてきた視点です。
この展覧会の残りの会期、あと4日間は、この「気づき」を深く追求することよりも、ご来場くださる皆様がグループ展として展覧会を楽しんでいただけたらと思います。私の作品がこの空間で放つことができるメッセージが残っているとしたら、それは直接作家の声を届けるのではなく、キャプションやパンフレットのテキストに託したいと考えています。
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