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作業進捗10:墨と紙の潔さ


個展「gaze」に向けて制作中の、墨の作品についてお話ししています。  まるで銅版画のように繊細なテクスチャー。 写真では伝えきれない、作品に宿る「小宇宙」について書きました。現代アーティストMegumi Karasawaの毎日更新するアートBlog。
墨のドローイングを再開する。

個展「gaze」に向けて、制作は佳境に入っています。

アトリエでは日々、新しい作品たちが生まれていますが、その中でも今、特に心惹かれているのが、墨の濃淡と表情だけで世界を創り出す一連の作品です。


今日は、写真だけでは伝えきれない、その作品世界についてお話ししたいと思います。



「小宇宙」の誕生:墨と紙の潔さ


一見するとシンプルに見えるかもしれませんが、墨で描くドローイングは、まるで銅版画のように、深く、繊細な質感を生み出します。


そのテクスチャーの中に、墨が生み出す静かな宇宙が閉じ込められているのを感じます。

筆が紙の上を滑るたびに、墨は滲み、濃淡を変え、予測不能な表情を見せます。


それは、まるで星が生まれる瞬間のような、小さくも壮大な宇宙の誕生です。

一枚一枚めくるたびに、異なる物語が浮かび上がってくる。

あなたはこの作品から、何を感じ取るでしょうか?



和紙に耳を傾ける時間


私の制作は、筆を持つ前から始まります。


和紙を水で濡らし、手でちぎるところから、この作品の世界は生まれるのです。


意図せず生まれた破れた縁や、滲みの跡。

それらは、作品の持つ個性となり、深みを与えます。


墨と和紙というシンプルな素材だからこそ、この「対話」の時間をも大切にします。


そして、その線が語りかける言葉は一つではありません。

それは、見る人それぞれの「まなざし」によって幾通りもの物語に変わります。



gaze


個展のテーマ「gaze」は、私が作品に注ぐ「まなざし」であると同時に、皆さんが作品に注ぐ「まなざし」でもあります。


皆さんが作品と向き合い、その「小宇宙」にあなたの感情や記憶を重ねることで、初めて新しい物語が生まれます。

作品に描かれた一本の線が、あなたにとっては懐かしい景色や、忘れていた感情を呼び起こすかもしれません。


FBInstagramで一連のドローイングをリール動画にして投稿しています。

どうぞご覧ください。




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