作業進捗7:色とマチエールの断片
- Megumi Karasawa
- 8月25日
- 読了時間: 2分

個展の開催まであと42日。
FacebookやNoteでは、制作中の作品の一部を公開していますが、今日のWixブログでは、そのクローズアップされた断片の奥に秘められた、物語の断片を、言葉だけで紐解きたいと思います。
言葉にならない質感:マチエールの語り
今、私の目の前にあるキャンバスには、絵具の層が幾重にも重なり、まるで地層のように堆積しています。「まるで地層のように」なるように描いていると言った方が正しいかもしれません。
最初に色を置いた時の感情、その上を覆うように重ねた色の迷い、そして最後に、再び表層に現れようとする色の意志。それぞれの層には、その時々の私の「まなざし」が刻まれています。
パレットナイフが走った跡は、まるでひび割れた大地のようにざらざらと隆起し、絵具の塊が積み重なっています。
これは、身体の中に溜まった言葉の堆積です。私の内面の動きそのもののような、絵具の動き。理性的な計画を超え、衝動のままに手が動いた痕跡は、作品に独特のエネルギーを与えます。
今、私はこの衝動的な勢いに任せて描いた表面から一歩引き、要るものと要らないものを選別する作業に入っています。全体を落ち着かせるための、冷静で丁寧なプロセスです。
このマチエールが、「まなざしと差延」というテーマに沿った、言葉以前の、根源的なコミュニケーションの手段になればと思っています。
断片から全体へ:途上の物語
Wixブログでは、この作品の断片が、私のこれまでの探求(灰色を見つけたことから勢いづいた制作、差延の考察、言葉が降りてくる瞬間)とどのように深く結びついているのかを、これからも綴っていきます。
テキストから皆さんの心の中に、それぞれの作品の姿が浮かび上がってくることを願っています。
個展会場で、言葉を尽くしたこの断片が、全体の中でどのような意味を持つのか。
ぜひ、あなたの「まなざし」で確かめてくださいね。
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