作業進捗3:予期せぬ衝動に面食らう
- Megumi Karasawa
- 8月20日
- 読了時間: 3分

以前のブログで制作が捗らずに悶々としていましたが、グレイ=灰色という色を通して自分自身の「弱点」を認識したことをお話ししました。しかし、今日はその状況が好転したことをご報告したいと思います。
作品が、作品を呼ぶ:連作の必然性
パネル作品はグレイ基調で当初予定した3点を制作しました。
制作を終えた後でふと「もう少し数があったほうがいいな」という直感で、追加でパネルを作成しました。
小さなサイズの作品でも、質と時間、思考を深められれば、サイズに関係なく作品全体の内容も完成度も上がるのではないかと考えていました。
しかし、わたしの場合、それに達するには、量、つまり数も必要なのでした。
時間が迫る中で、追加することに躊躇いもありますが、次の一作が今よりうまくいく可能性に期待しつつ、新たに5点を制作することにしました。
わたしの作品は、一つで完成した独立した世界ではなく、バリエーションを持ち、連作するような方向があるのかもしれません。
これは、クロード・モネの「積みわら」や「ルーアン大聖堂」の連作が、同じ対象を異なる光や時間の下で描くことで視覚の変化を探求したように、私自身の「まなざし」の連続性を作品群全体で表現しようとする試みなのかもしれません。
思考から衝動:身体性と行為
考えることや計画を立てて実行することはもとより、手を動かしてからの勢いは、もはや予想が追いつきません。これは理屈ではなく、ほとんど衝動的な動機に突き動かされるような感覚です。
この「思考を上回る衝動」は、20世紀美術において大きな転換点となったアクション・ペインティングと関連付けられます。ジャクソン・ポロックやウィレム・デ・クーニングといった抽象表現主義の画家たちは、完成されたイメージを事前に計画するのではなく、キャンバスの上での身体的な「行為」や衝動そのものを作品の中心に据えました。
彼らにとって、絵画は静的なオブジェではなく、描くというダイナミックな行為の痕跡でした。私の「手を動かしてからの勢い」という言葉と、描くからこそ動かせるものがあることを改めて知るのです。
無気力を経て:創作のスパイラル
以前のブログで語られた「無気力」な状態は、一体なんと説明すればよいでしょう。
それは、内的なエネルギーを蓄えるための重要な期間だったのかと思う程です。
灰色を見つけたときから動き出したように思います。鬱蒼とするでどこを歩けばいいかわからず、粛々と時間が過ぎる期間を経て、衝動という形で創造的なエネルギーが動き出したのでは?と感じています。
この良い流れを大切にしながら、ひとつでも多くの作品を、皆さんに見ていただけるよう、最後まで制作を続けていきますよ~。
コメント