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執筆者の写真Megumi Karasawa

時間の密度

更新日:11月20日

建築


10月に個展をしたギャラリーは埼玉県川口市にあるM-galleryという建築アトリエますいいリビングカンパニーが運営する貸しギャラリーです

このギャラリーの前身は築60年の公団アパートで運営していましたが老朽化のため閉廊し2020年10月に現在の場所に移転・オープンしました

オープニング展ではますいい所蔵の建築家「石山修武」先生の作品を展示したそうです

わたしはいま坂口恭平氏の著作を貪るように読んでいて、氏が石山修武先生に学びたいと早稲田大学建築学科に進学し先生の元で建築を学んだという恩師というべき人です

氏の本には度々お名前が挙がります

石山先生の作品がM-galleryオープン展で展示されたことを知り驚いています

わたしは高校から大学まで彫刻を専攻していました、彫刻家の描くドローイングやデッサンを特に魅力的に感じていました、立体作品よりもそちらに惹かれました、空間の把握のしかたが画家とはどこか違っていたし線や形や色に対する感覚もシンプルだけど力強く簡潔でありながら含みがあり独特の感覚を感じました

わたしの関心が建築へ広がったのはここ1~2年のこと、風景をモチーフにコラージュやドローイングをしていくと、それが骨格や骨組みといった直線的な形態や地面との接点に視点が集中したのがきっかけで「風景の構造」という展覧会をしました

ますいいが所蔵している建築家、石村修武氏のドローイングや、彫刻作品をHPで見てどれも眼が開かされる作品ばかりでした

こういった作品をみるともっともっと作品をつくって、いい絵を描きたい、立ち止まってはいられないとそわそわします

M-galleryからはじまってその線上に何かがある気がしています、この系列はただの偶然ではない?

彫刻と建築と芸術…

何かが生まれる気がしている、毎日書いて、書いて、書いて、書いて、それがかならずどこかに繋がる予感がしてならない



彫刻家や建築家の描くドローイングや作品が好きだ
建築家の描くドローイングが魅力的

時間の密度


花の絵を描いて5日経った

手元には5枚の絵がある、一日1枚描いた時間の記憶でもある

花の絵は時間を決めて描いている、時間内に1枚描き上げるというルール

未完だろうが完成しようが時間になったら手を止める、「しすぎ」たり「しなさすぎ」たりといった過剰と不足に対するアンサー(になるかどうかわからない)

しかし感覚ではなく物理的な時間によって終わりを決める

この方法で絵を描くと時間の密度を気にするようになった、限定された時間の中でどんな遊びをしどんな展開をしどうなるか全くわからない面白さと未知に身を委ねることもできるし、時間内にまとめる技量も身に付く

ここから数時間後、白い紙に何が現れるだろう…どこかに出掛けるような気分で絵筆を握る

花の絵は予め何を描こうか決めずに出発する、まとまりなく崩れても時間内にまとめる、だらだらと描かない、潔く手を止める、これがなかなかできないものだ

そのうち時間の感覚が掴めて絵の状態と自分の集中度合も見極められるようになるはずだ、いい塩梅を模索している最中だ

感覚や気分に任せてフィニッシュを決めていたけれど定量的な視点を持って最初と最後を決める、時間を区切るという必要にようやく気づくことができたのだった

限定された時間の中で自分の持っているものをどんな風に使うか、何ができるか、1枚の絵をドライブする

芸術は感覚や気分に任せて描くものだと勘違いしていた、しかし定量的な視点を持って自分の持ち物を使うことを実践している、時間の密度を描くということを花の絵は教えてくれた



「時間の密度」を読んでくれてありがとうございます


体が怠く喉も痛み風邪を引く前のゾクゾクした感じに襲われています、早めに薬を飲んでしっかり休もう…一日たりとも同じ日はないのに昨日と今日の境が曖昧になる、一日が暮れるのが早い、安全で健康な日を過ごせたことで充分だ、夕方から日が沈むまでの1時間が惜しい、時間のグラデーションをダイレクトに感じるため外にいることにする、外に出るとそれだけで気分転換になる

公園に行くと気がまぎれる、執着していたものから離れられる、人間も犬も雲も空の色もみんな動いている、変化していくものを見ると心が軽くなる

今日もおつかれさまでした、明日も素晴らしい一日になりますように




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