生成AIが奪えない職業とはー技量でも訓練でもないもの
- Megumi Karasawa
- 1月30日
- 読了時間: 3分
グリーンバーグ批評選集より
芸術において価値もしくは質の究極の源泉とは何であろうか。
そこから導き出された解答はこのようなものであると思われる。
すなわち技量でも訓練でもないし制作や実作に関係したその他のいかなるものでもなくて唯一構想だけであると。ー藤枝照雄『グリーンバーグ批評選集』勁草書房,2005,P160
「技量でも訓練でもないもの」を読んでくれてありがとうございます
ドローイングをどうにかしたい。
と取り組んでいたときクレメント・グリーンバーグ(Clement Greenberg,1909 - 1994)の批評選集の中に書かれていたこの言葉にであった
技量と訓練として絵を描いてきた側面を見抜かれた気がして恐ろしさを感じたのだった
グリーンバーグは構想とは創案ともインスピレーションとも直観とさえ呼ばれているもの※1と書いている
なぜ技量や器用さが質を生み出せないかについて説明しているが、これを読むと現代に生きるわたしには特に実感を伴って読めた
生成AIによって再現可能・複製可能、情報処理能力の高さ、精度の高い完成品をつくることが可能であり、なんならオリジナルに勝る技術の前にリアルな絵画は歯が立たなくなる
「歯がたたない」とは人間が描いた唯一の作品を生成AIが学習しまだ描いていない作品もつくり出してしまえることだ、そうなったとき人間は技術のみに非ず個人の構想の有無によってコンピューターに勝るのだと考える
グリーンバーグのイメージしている「技量と器用さ」はコンピューターではないかもしれないけれど、問題提起を現代に置き換えると「技術」はコンピューターのことになる
カメラが発明されたとき1826年「今日を限りに絵画は死んだ」と画家ポール・ドラローシュ(Paul Delaroche, 1797 - 1856)は言った
カメラに画家の職業が奪われるかもしれないと衝撃から発せられた言葉だ
Chat GPT、生成AIが人間の職業を奪うのではないか。
19世紀の懸念が再熱する
生成AIによって将来的になくなる職業が懸念されるが失われる仕事というのはほとんどないのだという※2
職業の中身である内容が変化するだけで職業自体はなくならず、人間に必要とされるのは情感を伴ったものを発揮できる場が求められエモーショナルインテリジェンス(EI)が鍵になるという
グリーンバーグが1906年に書いた、成功作の唯一の原因となるのは個人のもつ構想とインスピレーション※3と書いたように絵に何を求めるかよくよく自問する
訓練と技術のために費やすのか
人間の、個人にしかない構想を発揮した作品を生み出すのか
技術の高さ・訓練されたもの=質の高いもの
と捉えるなら即刻考えを改めて自分の内にある構想育てる努力に切り替えるのだ
今日もおつかれさまでした、明日で1月も最後です
1ヶ月健康で過ごせましたでしょうか
明日も素晴らしい日になりますように
♦参考文献、動画
※1,※3藤枝照雄『グリーンバーグ批評選集』勁草書房,2005,P160
※2 NewsPicks『日本はゆるゆるのガラパゴス」日本人が理解すべき“努力のレイヤー”とは?』,2023.10.20 https://www.youtube.com/watch?v=ZxcjeiLECRw
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