白と青白と黒
- Megumi Karasawa
- 2月26日
- 読了時間: 3分
更新日:3月22日
ホームベース
キャンバスに描いているのは女性の姿だ
だからだろう女性アーティストや女性作家の作品が気になるのは当然のことなのだ
しかしこれまで女性作家という視点で作品を知ろうとしてこなかった
だから現代アートが扱う主題のひとつ性差や偏見に関する問題提起を知っているだけという認識に留まっていた
フェミニズムやジェンダーを含む性差や偏見に対する考えを自分事として捉えたことが正直なかったのだ
2024年まで風景や建築物の構造や外部環境の骨組みをコラージュを使って作品にしてきた
断片的で曖昧な記憶をつぎはぎする黒色は、記憶を記憶を呼び覚ます色だった
その一方で自分に近い直接的な体験を元に絵を描きたいという衝動があった
女性とは何か
漠然とした問いは女性、人間、生命につながる人間本来の姿、記憶していることをドロリと落とし込みたいとおもったのだ
キャンバスに筆というオーソドックスな方法で取り組むことにした
取り組むようになってから主題に引き寄せられるように絵画に関係するものたちが折に触れ目につくようになった
・ハン・ガン(Han Kang 1970-)著 齋藤真理子訳『すべての、しろいものたちへ』河出書房新社,2023
・神林恒道 仲間裕子編『美術史をつくった女性たち』勁草書房,2003
・ルシア・ベルリン(Lucia Brown Berlin 1936 - 2004)著 岸本佐知子訳『掃除婦のための手引書』講談社文庫,2022
・イム・キョンソン著 熊木勉訳『リスボン日和 十歳の娘と十歳だった私が歩くやさしいまち』マガジンハウス発売 日之出出版,2024
・エレナ・アルメイダ(Helena Almeida1934-2018)《住みつかれた絵》1967
・ハンナ・ヘッヒ(Hannah Höch 1889-1978)《母》
・アネット・メサジェ(Annette Messager1943-)《私の自由意志による罰》1972
白と青
白と黒
写真と日記
キャンバスには風景を描いていた時とは反対の色を選んでいた
黒から白、記憶が失われていくさまを表している
2024年まで作品は潜在的な記憶を呼び覚ますものとして見て欲しいとおもっていた
他者の、あなたの個人的な記憶にコミットメントするように、だ
白色を使うようになって記憶は呼び覚まそうとしても呼び覚ませないものとしてある、ことに目が向いた
生理的老化と病的記憶障害あるいは健忘症的な喪失は人間の自然な姿であり抵抗できないもの、不可避的な状況に直面したときどのように生きるか、生きていこうとするのかを描きたいのだとおもう
個人的な記憶を奪われたとき人は自らのホームベースを失いかねない
ホームベース
風景を描くとき発展と衰退という構造は持っていた
人間も発展のピークと衰えがある
衰えはネガティブなイメージだろうか、そうじゃない
不可避的な状況でのアクションと崩壊、もどかしさや諦念、為すすべを見つけるように自然に抗う姿
靄がかかる前、霧がかかる寸前のアクションと崩壊の認識を絵と絵とは別の方法がある視野にいれながら考えている
今日もおつかれさまでした、明日も安全で優しい日になりますように
穏やかな西日が町を包む気温16.5℃の夕暮れとき
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