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展覧会のお知らせ

7/15(火)から、「第9回 菜々燦会展」に出品します。 今回は、壁面10mの個展規模で新作「ロスト・ペインティング」36点を展示。初のカンヴァス作品を通して、失われた記憶と内なる感情の揺らぎを表現します。従来の「黒」から「色」への移行、初のキャンバス挑戦。これは私の創作哲学における重要な転換点です。 本ブログでは、会場にお越しになれない方々へも、この挑戦と作品のこだわりを詳述しています。
7月15日(火)ー20日(日)グループ展に参加します

2025年7月15日(火)より開催される「第9回 菜々燦会展」において、これまで表現してこなかった、初のカンヴァス作品を、壁面10mという広大な空間に新作36点を展開します。自身の創作における重要な転換点を示す展示となります。

会場に直接お越しいただけない遠方の皆様、そして日頃より私のテキストベースの考察に触れてくださる皆様に、今回の展覧会の核心とその見どころを深くお伝えしたく存じます。


【第9回 菜々燦会展】


  • 会期: 2025年7月15日(火) - 20日(日)

  • 時間: 10:00 - 17:00 (初日のみ13:00開場、最終日のみ16:00閉場)

  • 会場: 粕壁市民センター2Fギャラリー(旧春日部市中央公民館)

    • 〒343-0061 埼玉県春日部市柏壁6918番地1

  • アクセス: 東武アーバンパークライン 八木崎駅下車 徒歩2分

  • 入場料: 無料

  • 参加作家: 石村 空也、唐澤 恵、北村Q斉、高橋 広、松本 勝司


第一の見どころ:個展規模で挑む、壁面10mの空間構成と作家の意思


本展において私が担当する壁面は、一人あたり10mという広大なスケールです。これは一般的なグループ展の枠を大きく超え、個展に近い感覚で私の世界観を表現できる、稀有な機会となります。高い天井と開放的な空間は、作品が呼吸し、鑑賞者との間に豊かな対話を生む理想的な環境です。


私はこの広がりを最大限に活かし、平行線状に構成できる空間の特性から、作品配置と視線誘導、空間全体のストーリーテリングを前回以上に練り込みました。


作品そのものが発する声に加え、それらが織りなす空間全体で一つの物語を紡ぎ出し、鑑賞者がまるで絵画の中を歩むかのような、没入感のある体験を創出することを目指しています。これは私にとって、絵画とキャプション二つでひとつの作品にするという、実験であり挑戦でもあります。



第二の見どころ:初のカンヴァス作品36点「ロスト・ペインティング」に見る、表現の地平の拡張


これまでの私の仕事は、主に紙を素材とし、墨や木炭、鉛筆、オイルパステル、クレヨンといった画材を用いて、黒を基調とした風景や建築物を描くことを中心としていました。私にとって黒は、絵画の原点であり、内面と深く向き合うための根源的な表現手段でした。


しかし、2024年10月の個展を境に、私はその「黒」という色、そして「紙」という素材から離れ、新たな表現の可能性を模索する時期に入りました。「カンヴァスに絵筆を持ち、絵を描く」という、いわばオーソドックスな方法を改めて試したいという切迫した欲求に従い、今回、私にとって初めてとなる本格的なカンヴァス作品の制作に取り組みました。


本展では、この新たな挑戦から生まれた総数36点の新作を、一堂にご覧いただけます。これは、単なる画材や色調の変更に留まらず、私の創作における新たな地平の拡張を意味しています。



テーマ「ロスト・ペインティング」:失われた記憶と「不在の美学」


今回の展示テーマは、深い内省から生まれた「ロスト・ペインティング」です。 このテーマは、私たちの内奥に秘められ、あるいは日々の喧騒の中で意識下に封じ込められがちな「失われた記憶や、言葉にならない感情、そして内面の揺らぎ」を指し示します。過ぎ去った時の中で変容し、鮮明さを失っていく記憶の痕跡を、「色」と「筆跡」を通して再構築しました。


これらの作品は、曖昧な過去の記憶と向き合うことで、自己の存在のありかを問い直す試みです。鑑賞者には、作品が誘う「喪失の淵」を巡る内面的な旅を通じて、自身の記憶や感情の深層と対峙する体験を提供したいと願っています。ここに描かれているのは、単なる記憶の再現ではなく、失われたものの中にこそ見出すことのできる、「人間の生」なのかもしれません。



創作の進化と「魅せる展示」への深化


今回の「菜々燦会」は、私にとって二度目の参加となります。前回参加した際に感じた「ただ作品を横に並べるだけでは物足りない」という想いが、今回の「魅せる展示」にこだわりたいと考えました。壁面10mという広がりを最大限に活かし、作品同士の配置や視線の誘導、空間全体のストーリーテリングを深く練り込むことで、前回から約一年後の作品の変化と共に、私の創作の新たなアプローチを模索しました。


本展は、私にとって新たな表現領域への「実験であり、挑戦」でもあります。現在、そのこだわりを現実のものとするべく、残りの期間急ピッチで準備を進めております。完成した光景がまだ想像できませんが、鑑賞者の皆様に「余白の時間」と静かな余韻を提供できると信じています。


内面への問いを共有する場として


この夏、私の新たな挑戦と、作品から生まれる「余白の時間」をぜひご体感ください。会場にお越しになれない皆様へは、後日、本ブログやFacebookやPinterestなどのソーシャルメディアにて、展示風景や作品画像を公開予定です。

私の制作へのリアルな言葉やテーマの掘り下げは、Karasaawa Megumi Blogで日々綴っております。こちらも併せてご覧いただけますと幸いです。


ご来場を心よりお待ちしております。


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