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執筆者の写真Megumi Karasawa

2024個展開催「風景の構造」#10開かれた作品

目標と達成


このレポートも10回目になりました


毎日毎日ギャラリーに行ってお客さんをお迎えし、途中配置を変えたりしたら気づくことも多くてどんなことも残しておきたいとおもいテキストにした結果、10回目に!

作品露出にチャレンジし次回もまた観たい、楽しみにしている、連絡してくださいと仰ていただけました

このように今回の展覧会は「作品を外に向けて露出する」というのが目標でした

それを達成できたので自分にお疲れさま、逃げずによくやった…言いたい!!言いました😊


3年振りの個展はいつになく普段通りでいられました

夏の終わりにグループ展があり、その延長のような心持ちで準備を始め個展というのに欲がなく平常通りの変わらない状態に自分で心配になるほどでした

緊張感も焦りもなく淡々と準備

レンタルギャラリーで展覧会をすることがどういう段取りでどんなスケジュールでどんな期間になるかわかってたからなのかな?展覧会の目標も「作品を露出する」というものだったので、高いハードルを設けたり急激なレベルアップを求めたりしないことも一因でした


約3年間に制作したリノカット版画、ドローイング、コラージュ40点ほどを出品し「お披露目会」のような展示会場

初めて生で作品を観る方もいらっしゃったし、学生時代から作品を観てくれた友人も来てくれ、ごく近しい人たちが自発的に観に来てくれた内覧会のような小さな幕開けでした

某日、展覧会が終わり事務作業と作品を購入して頂いたお客さんに発送したり実際に送り届ける仕事もひと段落しました

箱を開け作品と対面したときの感激の声を聞くとほんとうに安心しじんわりします

その方のお役に立てたのだという実感と、描いてよかったというシンプルな想いに満たされます

作品を購入することはハードルが高いことです

それでもこうして求められ、手元に置いておきたいと思ってくれることを「購入」という形で示してもらえるのはやっぱりうれしいことです

この展覧会を始めたことで次の目標ができ、活動の歩みが加速します

ご来場頂いた皆さま、心よりありがとうございます


2024 Megumi Karasawa solo exhibition「風景の構造」10月11日(金)ー10月20日(日)M-gallery 川口/埼玉
2024 Megumi Karasawa solo exhibition「風景の構造」10月11日(金)ー10月20日(日)M-gallery 川口/埼玉

人生足別離


唐代の詩人于武陵(うぶりょう)の詩「勧酒」(かんしゅ)をご存知なくても「サヨナラダケガ人生ダ」という文言、目にしたり聞いたことはあるのではないでしょうか

これは「人生足別離」という漢詩を井伏鱒二が「サヨナラダケガ人生ダ」と訳したものです

以前ちょこっと触れましたが夏から秋にかけて季節の移ろいとともにそれまで築いてきたもの(人間関係だったり)が去っていく経験をしました

偶然のタイミングだったのかもしれませんが何度か重なり、個人的に人を見送る時期なんだなとしんみりしながら立ちつくすしかできないのでした

それぞれ個人の成長が花開いたり成長をみることもあれば、どうしようもない理由やコントロールできないものに翻弄される人の姿もありました

流れに変化があって、良いこともそうでないことも含めて人の行く末を「お見送り」をするようでした

人生にはこんな時期があるんだと初めて知ったののです


自分が自分でいることの確信が揺らぎ、身体から魂が抜けるような感覚、幽体離脱

そんなわたしを抱えながら走らせた諸々の仕事や依頼された仕事に着手し、実感のあることを引き寄せ現実に留まったのでした

展覧会が終わって一週間経ち新たな作品に着手し絵を描いています

絵を描く時間を求めるのは、それが数えられないくらい起こる現象や情報の濁流に飲まれた自分の経験をいったん落ち着かせて内観する時間になるからでした

「ゾーン」と呼ばれるその時間がわたしから去って「お見送り」しなくてはならなくなったら…とそんな不安を抱えたこともありました

サンクチュアリのような場所がはく奪されたら…

想像したくないことをイメージしてしまうのは疲れや重圧を抱えているしるし

精神状態を安定させ落ち着かせること、自分を労わることがまず最初の静かな選択でした

暴飲暴食(グルテン・カフェインの摂取、ゆるビーガン破る、ジャンクフード立て続けに食べる)、無駄にスマホをスクロールし深夜まで起きている…それまでの日常生活を意図的に逸脱するような行為を取ってバランスを保っていました

これらは展覧会後の疲労と節制の解放、目を離した隙に遭った様々な出来事への理解が追い付かないことへの反動の顕れとして出てきた症状です

まあ、それだけで済んでいるということを良しとしましょうよ、そう言い聞かせます

現実を受け入れつつ、現実から離れているような感覚を持ちながらいま過ごしています


唐澤 恵「風景の構造」展にご来場いただきありがとうございました
唐澤 恵「風景の構造」展にご来場いただきありがとうございました

「2024個展開催「風景の構造」#10開かれた作品」を読んでくれてありがとうございます


10回目のレポートを書くまで間が空いてしまってごめんなさい💦

この間、作品を購入して下さった方に郵送し安全に手元に届いたご報告を頂き、直接手渡し箱を開ける瞬間に立ち会いました

この最後のお努めが無事に終わりようやく展覧会が終了します

これらの瞬間は喜びでありながら、責任ある仕事なので特に緊張します

郵送はコンパクトかつシンプルに、最近の風潮からエコに配慮しながら…という理想もあるけれど道中どんなアクシデントに見舞われるかわからないので梱包はかなりしっかりめにします

その分配送料に影響することもありますが、安全と安心に保険をかけるつもりで考えています

展覧会を終えるとすぐに展覧会をしたくなる…⁉

ハイになっているのか、もっとうまくやりたいという野心?なのか、そんな気分にもなれば疲労や節制からあえてアンバランスな行動を取ってしまうこともあり引き裂かれています

それだけ「作品露出、展覧会」というのは刺激が強く非日常的な時間なのだということですね

全10回になった「風景の構造」展のレポートはこれで終了です

次の展覧会を企画したときどんな視点の変化があり、どんなことを書くのかたのしみにしていてくださ

いませ

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