黒鉛と線
某日、図書館に行き予約した本を取りに行く
その後クリスマスプレゼント・紙皿・ペーパーナプキンを買いに行く
クリスマス前の商業施設の活気や賑わいを感じながら特別感を味わう
午後4時、遠くまで見通せる澄んだ空気と静謐さ
冷気で景色がいつもよりくっきり見える、画像加工でフィルターをかけたような映り
これが冬の色、年末間近の景色だ
日本の冬、関東平野は空気が澄んで細部までくっきり見えるちはっきりした色になる
ここから見える富士山、平坦な山、平坦な土地、平坦な国、ミニチュアのような小ささ
日本で暮らすってどんなことかってを読み始めた本で考える、著者の視点を取り込む
千葉雅也氏の「アメリカ紀行」
最後の章から読んだんだ
4ヶ月のアメリカ研究生活から帰国して日本に戻ったときの違和感について「そうそうそう」と相槌うちながら「ふむふむふむ」と理解する、着眼点と視座は流石、文章の運びも心地いい
単語の選びもすきだ
直前に読んだ本に影響されてか、車を走らせながら見た富士山は折り紙で作ったようだった、いやハサミで切り抜いた富士山のイラストのようだった
ドローイングを進めている
黒鉛を使って描いている
描いているものが何かはわからない
けれど神経症的な無数の細かい線が走っている
わたしの神経過敏の特質さそのものを顕すような一本一本、生身の自分以上に「自分」をみているようだ、サインがなくても誰が描いたかわかるほどの神経質さがもっと欲しいもっと…
サインがなくてもわたし以外を示すものでないような線が描きたい
欲を刺激するのは「線」なのだった
線・線・線
黒鉛の魅力は松谷武判氏の作品でよく表現されている、され尽くされているともいえなくもない
妖しく光る黒鉛の帯が脳裏によみがえる、潔いほど何も施さない規則的で禁欲的な身体運動の成果である帯状の作品、長さ〇メートルの黒鉛で塗り潰された紙
黒鉛という素材は感情に訴える表情豊かな素材、水分を含み流れる
この画材ひとつでわりと多くのことができるのではないだろうか、可能性に魅せられる
わたしのドローイングは黒鉛と相性が良い、この素材をもっと知ろう
「黒鉛と線」を読んでくれてありがとうございます
年末まであと数日あるけれどこの日を境に一日が激変します
31日の年末まで一日一日が矢のごとく過ぎていく
一年は予想がつかないほど揺れ動いています、まるで時間は生命体で生きているかのようです
一年の予想はできないし想像以上のことが起きる
細かいものが集積しているという事実、異なるものだけが集合しているという事実、判断のもたらす歪みがあるという事実、自分が見たいものしか見れないという事実…一言では表せないものしかないと言いきってしまいたい心情を呑み込みながら、ひとつひとつに目が届くようになった
一日一日がいつも以上に重みをもつ12月
どうか安全で喜びに満ちたクリスマス・イブになりますように
今日もおつかれさまでした、明日も素晴らしい日になりますように
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